ブルーズ音楽は戯れ歌・日常生活・労働や愛欲などが多いわけですが、宗教的な教訓・信心を促す所謂「説経節」も多くあります。
そういう題材取りの中では割と珍しい、政治的な時事を取り上げたブルーズのオムニバス。どの曲も「ケネディー暗殺」を題材にしています。こういうものは主にアメリカン・フォーク音楽に多いのですが、「ケネディー政策・暗殺」がいかに当時の黒人たちにもインパクトがあったかを物語っています。
黒人としてもポジティヴな期待が持てる国の未来を失った、というところでしょう。
日本で言うと、古くは「川上音二郎」から「添田亜蝉坊」、辻辻で社会風刺を吟じる「演歌師」「書生節」など、浪花の河内音頭に「新聞読み」(しんもんよみ)というものがありまして、時事ネタを題材に歌い込んでいくというのと同質です。
ヨーロッパだと、かつて広場や街角で唄う「吟遊詩人」や口伝かわら版屋的な「タウン・クライヤー」などがあります。
あらゆる欲にまみれた政治・そういう人たちになど関心などありませんが、国がどうなっていくのか・自分たちの暮らしが政治家によって翻弄されてしまう、ということにいつも注意深く見ているというのはとても大切なことです。
歌われる内容は、一般に思われるブルーズ音楽のイメージとは180度違うのですが、ブルーズが自分たちのリアルな生活・避けられない現実に基づいて、その苦楽を赤裸々に発露している音楽ということなのです。
ケネディー大統領の死に関する時事的なブルーズ/オムニバス
BIG JOE WILLIAMS,,,,A MAN AMONGST MEN.
Joseph Lee Williams (October 16, 1903 -- December 17, 1982 billed throughout his...
Sad Day In Texas - Otis Spann, 1963
Can't Keep From Crying: Topical Blues On The Death Of President Kennedy