2015年 04月 01日
エイプリルフールとゲーデルの不完全性定理
4月1日、せっかくエイプリルフールだからひとつ嘘でもついてみようか。
誰にも言わないでいたがほんとうはずっと前から耳が聞こえなくてそれでも作曲や演奏をしていたとか、実は自宅で実験していた結果レモン汁で細胞再生に成功したとか、出帳費切手代水増し金目当てで県議に出馬することにしたとか。
嘘をつこうと思ったが、上から下まで、正義から犯罪まで、権力からへそくりまで、世界この世の中の少なくとも半分は嘘で融通出来上がっているので、いまさらにつく嘘も陳腐当たり前になるのでお見事な嘘が思いつかない。
嘘つき国の住人がやってきて、「嘘つき国の人たちはみんな嘘つきだ」と言った。
そう言った住人も嘘つき国の人だから、彼は嘘をついている。
彼は嘘をついているのだから、「嘘つき国の人たちはみんな嘘つきだ」というのは嘘になる。
「みんな嘘つきではない」ということになる。
「嘘つき国の人たちはみんな嘘つきではない」ということだから、彼が言っていることは嘘ではないということだ。
彼はほんとうのことを言っている、「嘘つき国の人はみんな嘘つきだ」と。
ほんとうのことだから、嘘つき国の人たちはみんな嘘つきで、彼は嘘をついていることになる。
彼は嘘をついているのだから、嘘つき国の人たちはみんな嘘つきではないということで・・・・・・・・・・・・・・。
その命題が無矛盾であれば、証明も反証もできない。
人は、自分自身の無矛盾性を証明できない。
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「ゲーデルの不完全性定理」
数学基礎論における重要な定理の一つで、クルト・ゲーデルが1930年に証明したもの。
第1不完全性定理
自然数論を含む帰納的公理化可能な理論が、ω無矛盾であれば、証明も反証もできない命題が存在する。
第2不完全性定理
自然数論を含む帰納的公理化可能な理論が、無矛盾であれば、自身の無矛盾性を証明できない。