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汚れた水

汚れた水。 

メルトダウン/メルトスルーは未だに進んでいる。残念ながら放射能汚染は益々悪化する。
口に入れるものと海にはことさら気をつけたほうがいいが、気をつけても分からないものだから諦めるしかない。
人間がやっている限り必ず、誤りも偽りもあるのだから。

チェルノブイリを例に出して比較しても、放出された放射能量や病状の症例だけのこと。
日本とは立地・国土面積・地形・地質も違うし、政治体制・システム・イデオロギーも異なる。

国有であれば、国が世界的な面子と特別財源をかけて圧倒的・絶対的に収束させる。
... 日本は、国の金だけは出すが国有ではない。一企業のできごとにしている。事実上国有化などというが、まったくのデタラメ。
国のものであれば国の責任だが、東電も国もそうでない方がお互いに都合がいいので、東電はお金だけをもらい、国は国際的に国の責任を免れている。

そういうことで、原発は収束しないどころか、一企業の無能な後始末で悪化し、放射能は垂れ流しのまま、汚染水はだだ漏れのままだ。
単純に、それだけのことだ。

国が主導で、トップのトップたる権力で、絶対的にあれ以上は食い止めることが可能だった初期段階のこの2年間、現場作業はまったく無意味で無能なことをさせられている。

源流から水道「ミズミチ」を変えなければ、地下水からの汚染水は器の中からあふれるのは当たり前のこと。
上流側に大規模な工事をおこなわなかったのだから、いまさら騒いだところでこれまた無意味なこと。

そのための財源を使えないのも、国が先導できないのも、チェルノブイリ/旧ソ連とはまったく違う。
チェルノブイリが建っている場所の地形・地質、ソ連政治システムを考えずに、比較対照しても何がどうなる訳もなく、時間だけが流れ、収束せず、出口も方向性も見いだせず、ただただ放射能が漏れ汚染水があふれ出すだけ。
海は確実に汚れている。
基準値クリアとか、海開き―行政や広告屋がそれで若者や子供たちに水遊びをさせるのは犯罪かもしれない―や地産地消の大広告はインチキを通り越して、哀れで仕方ない。

もはや無理だ。
「そんなこと知らないよ、やばくなったら沖縄か外国へ逃げるよ」などと子供の口ケンカと同じようなことを言ってもしょうがない。
遠くへ行けるだけの、移住できる状況がある方々は移住したほうがいい。

スリーマイル原発の場合は、これもアメリカの政治システムが違うので当てはまらない。
大統領は国民の直接選挙で、大統領が変われば各ポストも官僚トップも変わる、ホワイトハウスそのものが総入れ替えになる国で、そういうフレキシブルで緊張感ある構造が構築されているし、だから民意に対して敏感で、良くも悪くも大統領/ホワイトハウスは強権を発動できる。
逆を言えば、国民にもその意識があって国が構成されているので、スリーマイルのような出来事に対して民間側自ら徹底的に調査・研究・吟味して、収束へのプログラムを練り上げ実行する。

日本はどちらでもない。
だから、物理的データ・病状症例程度で、チェルノブイリやスリーマイルを持ち出しても、通用しない。
「なぜ日本にはできないのか」「なぜ国はやらないのか」「どうして変わらないのか」というのは、そういうことだ。

原発はブッ壊れたまま、未だにただただ放射能を撒き散らして汚染水を垂れ流しにしている。

外構建設も汚染水処理も、ただただその場しのぎの一時的な「紙オムツ」か「ハルンケア」でしかない。

限定的・暫定的に国有化して、国が本気で財源をつぎ込み総力をあげてやらない限り、収束はない。
収束がないというのは、時間が経てば経つほど、益々汚染していくということだ。

火事ではないので、放射能量そのものはまったく減ってはいない。燃料・熱源は水の中にあっても常に活動していて放射能を放出している。それを包んでいる炉は確実に朽ちていく。
by greenwich-village | 2013-08-02 10:56 | グリニッチ・ヴィレッジ

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