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樹を育てなければならないのだが、この国に大樹はけっして育たない

毎年恒例の今年の一文字は「金」だ。
今年ばかりではなく、この国の一文字はただ「金」だ。

おおよそ三年間か、民主党に才覚のある人物と経験がなかったのは間違いない。
だから、官僚にうまく手玉に取られた。
各選挙区の人たちは、自民党を選んだ。
前回惨敗した自民党にとって最も好都合、もっけの幸いは、与党ではなかったこの期間に最悪のことが次々と起きたこと。最大の最悪なことも自分たちが野党だった時だから助かった。
次々と起きている問題や最悪の出来事を大いに推進してきたのは、当の自民党だったが、野党だったから追求をまぬがれた。
国民の目を与党に向けさせて、自分たちがしてきたことはうまく誤魔化せた。
今回、国民は何を望んだのか。
だらしない民主党への反発というよりも、民主党では自分たちの金にはならない、ということだ。
公共事業、バラマキ、補償金、何でもいい、つまり自分たちのお金になる政治だった。
金になる政治の復活だった。
景気対策、といったものではない。
景気対策には、ある程度の期間が必要になるわけだから。
国民はいつも、ただ目の前の金が欲しいわけだ。
ただそれだけで自民党は圧勝した。
自民党圧勝は、国民総意の現れだ。
まさに、今年を表す一文字通り、「金」だ。
まちがいなく民主党にはまだ資質はなかった。第三極なるものにも資質があるわけではない。
けれど、大樹は明日、明後日では育たない。
長いあいだに育ってきた大樹は、自民党だけだった。
その自民党が、この最悪な局面までのすべてを推進してきた。
うまい具合に最悪な出来事に直面するのはまぬがれた。
国民は選んだ。
名実ともに一党独裁政権になった。
自民党に期待しての結果ではないだろう。
国民は、税金免除ということで喜び一銭五厘の赤紙で死んでいった時代のように、目の前の金を選んだ。
誰より官僚たちは安堵した。
言葉だけが虚しく振り回される時代が再びやってきた。

毎度おなじみ、明日以降、株価は上がるだろう。
そして、整形顔のようにすぐに崩れ落ちるだろう。
木を植えても枯れるだろう。
根はすぐに腐るだろう。
余命幾ばくもない老人たちが、明日のある若者たちを鞭打ち虐待するだろう。
ロシアンルーレットを止めない限り、怯えて暮らすしかない。
生涯ただ怯えるために生きている。

もう大樹は決して育たないが、国民の羅針盤が壊れていないようにと願う。
by greenwich-village | 2012-12-17 01:43 | グリニッチ・ヴィレッジ

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