「音楽産業」は植民地支配者のように、大地から根こそぎ「音楽」をむしり取って不毛にさせる。
「音楽」はインディアンのようなものだ。密やかに慎ましやかに、正直すぎて滅んでいく。
音楽がなくなった大地に残されたものは、極めて手際よく効率よく規格統一された花々の量産だ。
植民地構造を維持するための、帰属による安堵感を保障するための、簡易的象徴。
匂いがないのは勿論、薬草にも毒にもならない植物が、植民地ではすべての味覚の基準になる。
― 多摩井次郎 (たまい・じろう/襖絵師) ―
ソー・ホワット(マイルス・デイヴィス) ジェリー・ガルシア&デヴィッド・グリスマン