2011年 08月 20日
古くもなく遠くもない/小説「方舟さくら丸」と音楽「消えた故郷・生命の輝き」
新しさとは、一般に新しいと認識された時点で、決して何も新しいものではなく、
遠い場所で起こった出来事は、もはや、遠い場所での他人の出来事ではない。
君がダウンロードしたデータやソフトは、まるで君自身のように急速に古び老化し、
君が手に入れた流行のマテリアルは、まさに取り留めもなく、薄白と薄らいでいく。
高騰する日本円や金相場には、放出された放射能産業が構築したシステム同等しかないが、
人生には意味がある。
人生には意味がない、というのなら、何もそんなに逃げ惑い恐れ不安になることはない。
一寸でも逃げ惑い恐れ不安がよぎるなら、思考ではなく、生命そのものに意味がある証だ。
“意味”がある“生命”そのものを危機にさらすのは、大概、無意味な思考による行為だ。
“生命の意味”による行為は普遍的であって、古くもなく遠くもない。
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古い時代の小説 「方舟さくら丸」 安部公房
核時代の方舟に乗りうる者は、誰と誰なのか? “御破算のとき”が遂にやってきた!
遠い国の音楽 「消えた故郷・生命の輝き」 ナターシャ・グジー
ウクライナの民族楽器 バンドゥーラ
千と千尋
なぜなのか教えて
まるで悪い夢のよう すべてが燃えている かつては生命が輝いていたこの場所で
いま風が灰を吹き散らす
なぜ大地がこんなに苦しまなければならないの この大地に何の罪があるというの
あなたに閱こえる? 助けてと苦しむ大地の声が
子どもらの笑い声がこだましたあの場所で いま涙が流され死が笑う
母は子を抱きしめて空に向かって悲しみ嘆く
なぜあの子がこんなに苦しまなければならないの あの子に何の罪があるというの
人生の軎びを知らないままこの世から旅立っていった
いいえこれは夢ではなく現実 未来への希望の灯が消えてしまいそう
なぜなのか教えて