2010年 07月 21日
お箏
遠い昔、まだ野心的な若者だった頃、在京時代の20代半ば過ぎ、薩摩琵琶の方の社中にハーモニカやエレキで混ざったことがありまして、その社中、正調琵琶の親方のほかに、津軽三味線やアコーディオンやアイルランドのタイコが入ったりしておりまして、自分のパートも含めて聴いたこともない編成で、音楽キャリアとして思い出の中で輝いているひとつであります。
そんなわけで、このちっちゃい箏。
インテリアや玩具のように可愛いですが、ちゃんと楽器でステキな箏の音色なのでして、こういう楽器を使って弾き語りやアコースティック楽器と合奏したり、バンドの音色に取り入れると非常に楽しいものになります。大上段に伝統だ日本文化だと語らなくとも、音がすべてを伝えてくれます。
どこをどう切ったところで日本人でして、声高らかに和風ここにありとことさら気張る必要もなく、ただ日本にあるものを取り入れたれば、ポップス音楽を生業にするニッポンのミュージシャンたちがネイティヴには通用しない英語か黒人の譜割りに詰め込んで歌う言葉よりも、普段の日本語と日常会話のレベルで、欧米人に「私らかようなしだいでござ~い」とささやかながら胸を張れるといった次第。
いや実際、フォークギターなんかと合わせるとずいぶん小ぶりのせいか相性いい音色ですよ。
大ぶりの箏は保管に場所をとるし持ち運びも大変、「借りぐらしのアリエッティ」が弾くくらいのサイズがちょうどいいのです。だって、小さき美しさこそ本来の日本文化の至上ですものね。
世界に誇る日本の名曲 正調<六段>
この夏、全国一斉ロードショー 「借りぐらしのアリエッティ」
「崖の上のポニョ」