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鳩山/アメリカ/普天間/龍馬伝/自衛隊/墓場/日本

*少々面倒で長めの随筆になります。


ニュースによると、鳩山さんちのお墓が何者かによって黄色いペンキで汚されたそうだ。

ここ最近の報道を見ると鳩山政権も行き詰って大変な状態にあるわけだけど、こういうゴタゴタがあると必ず、渦中の人物のお家のお墓をターゲットにして陵辱する輩が出てくる。中には、墓の中まで暴いて遺骨を持ち去るような狂人まで出没する。
墓石はあくまで石なので別に問題はないだろうけど、まったく関係ないご先祖様や死んでしまった人まで巻き添えにして汚すと言うのは、愚者にもほどがある。
原理的とはいえないような、非常に幼稚な直情的行動は、不愉快以外に道理はない。


米軍移設問題というのは、日本に住む全員の問題であって、もし自分が住んでいるところに来ることになったら、誰でもあまり居心地が良くないだろう。
それをどこに持っていくか、という問題なのだから、そう簡単に解決つかないのは当然だ。与党の愚かしさは、鳩山さんが自らその期限を提示したところだ。

沖縄や島の人たちの怒りは分かる。
反対派の人か、それに乗じている野党関係者か、単なる愉快犯か知らないが、だからといってそういった怒りが、お家のお墓に向けられるのは、怒りの精神状態やこの国が如何に不健康かというバロメータだ。

住民・島民の怒りは、鳩山政権に向けられて当然だが、同時に、アメリカ軍やアメリカ国に対しても向けられるのが普通ではないのか。
どこに、も問題であるけれど、なにが、はもっと重要な問題なわけだ
どこにもっていこうが国内であって、問題になるのは当たり前。これがディズニーランドやUSJなら皆もろ手を上げて大歓迎する。アメリカさん、バンザイ。

与党に対してだけで、アメリカ軍、つまりアメリカ国に対する明確な「怒」ではないところに、ボクは僕ら日本人のネジレ意識とアメリカの思うつぼを感じる。
タイ国やギリシャ国のような内乱まで大げさではないが、ちょっとした内輪もめの混乱状態で、当事者でもあるアメリカは客観的に見ていて、内輪もめで体力が消耗するのを待っている。
野党も新党だとか、所詮無力な自己本位な小さな政党がつらなって、まるで学者か評論家かジャーナリストみたいなことばかり言っている。

仲間割れのケンカ、国と住民が共倒れしたら、アメリカは後から悠々と思い通り振舞おうという魂胆が見える。

こういう図式、どこかで見たような、習ったような覚えはないだろうか。最近流行の、坂本龍馬/龍馬伝、あの維新開国の時代とまったく変らない。列強の前で、国が仲間割れしている。
薩摩だ、長州だ、幕府内もバラバラ、尊皇攘夷、水戸浪士、新撰組・・・・・・。
黒船ペリーは沖に停泊して、願わくばそのまま内乱になって自滅してくれ、と労せず待ち構えている。


どこに持っていくのか、と同時に、それは何なのか、を考えると、アメリカ軍の基地なわけだから、アメリカに対してもっと声を荒げて怒りをアピールしないと、現代民主的主権国家の民としての自発性よりも、彼らアメリカのペースで事が進んでいってしまう。つまり、国益を失う。
内輪もめもよく分かるが、アメリカ国に対してももっと真剣に真摯に譲歩を考えさせるように迫らなければ、基地問題は、かつての自民党今の民主党ほか小さな政党がどういっても、僕ら一般市民が望むようなほどには進展しないだろう。

言うまでもなく、今の日本はアメリカ文化の賜物で、日本人全員がアメリカや西洋文化を享受謳歌している。
ボク自身、アメリカ文化全般が好きだし、普通の人以上にそれで育っていたりもする。
けれど、どれだけそうであっても、日本人以外の何者でもない。

さまざまな分野・側面の話で、よく、欧米はこうだから日本もこうしなければならない、遅れをとる、などと「朝まで生テレビ」的な発言を耳にするが、なんでもかんでも欧米にするには無理がある。日本は日本で、日本人は日本人で、たとえ交際感覚が優れている人でもやっぱり日本人だ。文化や物質にくすぐられ憧れるのは良いが、立ち居地を失うとどうなるか。ディズニーランドやハリウッド映画を謳歌させてもらっているのでアメリカ国の基地のことは見てみぬふり、問題の矛先はアメリカではなく政権与党だけに向ける。
准アメリカ人意識の日本。
芸人のタカ&トシのヒットしたギャグ「欧米か!!」というツッコミは、充分な皮肉になる。


実際、日米安保の事情はあるが、いまだにタカ派とか国家主義的な権力者や思想家の方々の中には、中国やロシアや朝鮮が攻めてきたら大変だから・・・云々、と扇動罪的に発言するセンセーも見受けられるが、現代日本では、彼らが煽るほど旧来的な戦争など起こらないだろう。

いまの日本は、いまのアメリカのように侵略進出するようなことはしないし、ひたすら自衛迎撃するだけだから、いまほどの軍事力で充分で、あれは省庁団体としてもっと予算金がほしいだけの話だ。新しいおもちゃをほしがる子供のように、新しい戦車がほしいわけだ。買うわけだから売る側もいて、つまり軍事産業とバリューセットになっている。(それよりはサイバーテロや細菌兵器の危険のほうがリアルだろう)

アメリカは安保だという古臭いカードをいまだにちらつかせ、幕末の江戸城内の側近のような頭の政治権力者はそのカードに大枚を出して尚ひれ伏す。
その実、アメリカが仲良くしたいのは中国で、中国もアメリカと親密になりたがっているわけだから、東アジアで日本が攻められることも安保の必要性も、古臭いカードの骨董的価値以外にはその有効期限は切れている。

基地も安保も、アメリカと中国の間で、クッション程度に使われているに過ぎない。200円のクッションに600000円も出してくれるんだから止められない。
しかも、いまはその200円程度のクッションでちょっとした内政混乱状態なのだから、国も国民もバラバラになって体力がなくなれば、判断力も鈍って、軍事も文化も経済も思うがまま、これは損はないとアメリカ。

悪名高き民営化首相が強いた超資本主義、現代のアメリカ型とは何かといえば、手段を選ばないただ単なるお金儲けということ。政治・経済の側面でいえば、何でもいいからただ自分が儲かればいいという思考。
アメリカにはちゃんと「プラグマティズム」という現利主義の哲学があって、それに基づいて、定期的に戦争も計画されているのが伺える。(中国も伝統的に現世利益の国)

アメリカも中国も現実現金主義で、比べれば、日本は情緒的。情緒的だからこそ、普天間問題で「怒」というプラカードが掲げられるほど、地域・市民と国はがっぷり四つに組んでしまっている。

そういう部分はそれでいいのだと思う。日本は情緒的なのだから、なにも欧米や中国の真似をして現金現利に動く道理はない。
誰であれ、自分の先祖の墓を汚されてイヤな気持ちにならない人はいないし、自分の先祖ではなくてもそういう死人を陵辱する行為を見て快く思う人はいない。快く感じるなら、その人もまた直情による狂人だろう。
暴走族やスプレーアートの落書きでさえ墓場や墓石を汚すことはしない。極めて幼稚な病であって、人斬り以蔵のようなものだ。

「怒」は国や鳩山さんに向かってしかるべきものだか、同時にそういう負のパワーを建設的なエネルギーに換えて、ことの大本のアメリカ国・アメリカ軍基地・オバマ大統領へ向けてアピールし彼らに考えさせてこそ、若干の進展はあるのではなかろうか。



ネットの時代に可能性があるのなら、
ボクに出来る普天間・基地問題の進展への行動として、これを記す。
me, made in japan.


♪自衛隊に入ろう        高田渡


by greenwich-village | 2010-05-06 16:14 | その他

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