2008年 12月 22日
ガラスのような眩い“愛”の輝き
来年の大河の天地人、上杉家臣“直江兼続”の兜の施しは“愛”。
宮城・松島で伊達政宗の兜を見たとき、そのぐぐっと伸びた三日月の下弦の長さに「いやー、たいしたものだぁ~、こんなのかぶるだけでも大変だろうに」と感嘆したのですが、直江の愛の兜の驚きは、単なる施しのすごさではなく、そのモチーフとしてずば抜けていると感じてしまいます。
戦国時代の武将、愛を頭にかぶって戦をするわけです。愛に生き、愛に戦う。実に上杉家らしい神々しいまでのストイックさというか、愛が愛で攻めてきたら、なかなか太刀打ちしづらいですね。
“愛”ゆえに、彼という人となりは、敵である他の武将たちも魅了したそうです。
鎧兜や旗印に詳しいわけではありませんが、戦国武将たちのそれらはそれぞれの趣向で実に様々なデザインがあるので、そのあたりかなり面白いと思います。
(そのあたりに詳しいのは、鍛冶町の直江こと“ハイキング食堂”マスターなのです)
愛は素晴らしい、愛は美しい。素晴らしく美しいものを音楽として奏でているものは沢山ありますが、ハイフェッツのバイオリンはまさにため息が出るほど美しく、穏やかで優雅で、高慢でもなく難しくもなく、ひたすら美しいのです。
宝石というよりも、クリスタルやガラスのように美しいといいたいのですが、冷たさはありません。ガラスというとどこか冷たさもイメージできますが、その音色はたとえれば古ガラスのような柔らかい透明感。録音が古いのでごく若干の録音ヒスはありますが、ハイフェッツのバイオリンは“愛”という透明な美しさを奏でているように聴こえます。古今東西、愛や美は普遍的なもので、人の心を魅了しますね。