2008年 02月 25日
ペンギン・カフェでお茶を
1976年、ブライアン・イーノが主宰するアンビエント(包囲する音楽)レーベル、オブスキュアからデビューしたペンギン・カフェ・オーケストラ。
サイモン・ジェフスが、マレー・ヘッドやシド・ヴィシャスなどのオーケストラ編曲や、ピストルズなどのストリング・アレンジ、コマーシャル・ミュージックなどを手がける傍ら、このペンギン・カフェオーケストラを結成。
「クラシックや実験音楽や電子音楽、そして民族音楽など様々な音楽要素を取り入れた・・・」と言われますが、実際に聴いてみると、クラシックのようなアカデミックなムズカシさも、また、民族音楽と言っても特にどこの国のテイストなのかもわからない、実にマカフシギなサウンド。
ヴァイオリン、オーボエ、ヴィオラ、チェロ、ウクレレ、アコーディオンという当時としては風変わりな室内楽編成、そしてアフリカ、ベネズエラ、そしてアメリカのケイジャン、ブルース、カントリー、またスコットランドやアイルランド、カリビアンなどなど、色とりどりなトラッドの要素を、ミニマル風に縦横無尽に盛り込んだ、唯一無二な『架空のフォーク・ミュージック』。
ぎこちないフィドルやピアノのミニマルな旋律が、どこかコミカルなペンギンの歩く姿を思わせ、またそのメロディはちょっぴりリリカルでセンチメンタルな音色。この絶妙なミクスチャー・センスがなんとなくヒトの感情の不器用さにも似てる・・・?
そのサウンドは突然変異で生まれ落ちたような半人ペンギンのジャケ・イメージにぴったり。奇想天外でエキセントリックな音空間。