ルー・リード ハドソンリヴァ-ウィンドメデテイションズ

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これはルー・リードの2007年の作品。ただし、ロックンロール・POPアルバムではない。なので、普通のリスナー向きではない。
「ハドソンリヴァ-ウィンドメデテイションズ」と銘打たれたとおり、瞑想的なアンビエントアルバム。
これは、ヒーリングやトライバル、ネイチャーものや実験音楽とは全く違う。都市生活者、ニュ-ヨ-クの住人のための環境音楽といえる。二ュ-ヨ-クの街のノイズであり、都市の空気であり、電磁波であったり通信であったり、画廊や美術館の静寂であったり、深夜の孤独であったり、二ューヨークという閉ざされた空間にある生活感だ。都市全体を包み込むように吹きぬける風。騒々しくいかがわしい都市に生活するということ自体が、必然的に瞑想性を導き出す。24時間動き続けるそこでの、いつ終わることもない響き。
それが、このアルバムだ。
ここには田園風景も美しい自然もくつろげる環境も風光明媚も何もない。あるのは、あらゆる雑菌とゴミが漂うハドソン川に吹いている風、静かだが決して癒されない音。これほど二ュ-ヨ-クの素顔を突き放して描き切った音は滅多にない。ルー・リードでなければ作れない。
人々が深い眠りにいる明け方でも、ゴミ収集車は走っているし中毒患者は彷徨っているし株式コンピュータは動いているし、夢や希望と罠や悪意は取引し恋愛し、生み殺し壊し作り、エネルギ-が尽きることはない。
そこで生活し、自分を失うこともあり、また、ふと我に返ることもある。
これは、アート作品ではない。もはやア-トはプロダクト商品になってしまった。
これは、都市生活者にこそサウンドトラックとして機能するが、闇雲に混迷していく現代社会に生活する者にとっても、「ありふれた姿見の中の等身大」として響いている。




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by greenwich-village | 2015-09-13 01:55 | グリニッチ・ヴィレッジ | Comments(0)

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