虫になったらよろしく / スターリン

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「気持ちの悪い奴だな~、お前なんか知らない~、虫になったらよろしく~」

名のうて「ザ・スターリン」の、このとてつもなく居心地の悪い耳障りなサウンドとシャウトと他者全員をなじり否定する言葉が、極端にコアなROCK音楽のひとつと言える日本ロックのアンダーグラウンドな名作「虫」。

対照的にレトロな風合いのジャケットイラストは、これもまたアンダーグラウンドの奇才漫画家・丸尾末広。漫画はエロ・グロというか文学的というか、スポイルされている日本人のボンデージな精神というか性癖というか、濃厚なものですが、けっしてお勧めはしません。

虫になったらよろしく、と聴いて想起するのは、ドイツ文学カフカの「変身」。主人公がある朝、目が覚めると巨大な芋虫になっていて、彼を取り巻く家族や環境となにより彼自身の変質と危機を淡々と描いている傑作文学です。
「変身」は、人間の内側と外側それぞれの危機感を表現しているもの。人間から最も遠い「虫」になった自身とそれをとりまく状況。

「気持ちの悪い奴だな~、お前なんか知らない~、虫になったらよろしく~」

原発関連、機密法・自衛権関連、脱法ドラッグや地方議員関連、今の日本にぴったりの居心地の悪さ。
その心地悪い因習にボンデージのように縛られながら悦楽に耽る性癖の私たち。
原発も独裁も、新手の無気力さも欲ボケも、差別ヘイトスピーチも無関心な平和も全部、そして誰もが、巨大な「虫」。

「気持ちの悪い奴だな~、お前なんか知らない~、虫になったらよろしく~」






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by greenwich-village | 2014-07-18 11:42 | グリニッチ・ヴィレッジ

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