救済/ソウル・フランクリン

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アレサ・フランクリン    フィルモア・ライヴ    レコード


娯楽と救済。

アメリカン・ブラック・ミュージックのエッセンスをザックリと説明すると大きく2つ。

ひとつは、諸外国の芸能・昨今の日本ではごく一部になってしまった芸能と同じ、リズムダンスやイメージでの完璧なエンターテイメント、非の打ちどころのない娯楽、または演芸。

もうひとつは、キリスト教・教会を軸にした「信仰心からのゴスペル」の魂と技。
黒人音楽では、よく“ブルーズ”感覚や“ソウル”のグルーヴが引き合いに出されますが、あれはひとつの芸能の形式形態・音楽のフォルムであって、エッセンスにあるのは、生活に基づいた“ゴスペル感”。

ゴスペル。

ストレス発散のコーラス運動ではなくて、信仰に基づく“救済”。救済による解放、恍惚、トランス、浄化、安堵。
キリスト教プロテスタント黒人系=ゴスペルばかりではなくて、そういう“魂の救済”エッセンスは、ジャマイカでもキューバでもブラジルでもアフリカでも、世界中の黒人音楽には色濃く表れている感覚。

たとえば、同じ黒人音楽の“ジャズ”音楽の誕生から変遷を見ると、勿論全部ではありませんが基本的に、そのコミニュケーション・語法・洗練から、「外側へ向かう音楽」に思えるのですが、ゴスペル/ソウル音楽は、どこまでも「内側へ向かう音楽」のように思えます。
コミュニケート=外側、救済=内側、といった感覚です。

やがて、これが大きく外側へ踏み出したのがゴーゴーだったりディスコだったりヒップホップだったり、そういうエンターテイメントで、筆頭の故キング・オブ・ポップを代表とした娯楽形態に洗練されていく。


カーティス・メイフィールドやダニー・ハサウェイのニューソウル音楽や、歌姫アレサ・フランクリンは出所がまさに教会・ゴスペルですからなおのこと、ソウル音楽の形態をとって音楽的に洗練昇華されても、このゴスペル/“救済”は全面に表れています。


ジャム・セッションやダンスフロアといった集団的・外側・外界へ向ける以上に、演者自身と聴衆個々人それぞれのさまざまな思いがある内側へ向けて、“救済の音楽、救済の娯楽”を奏でています。






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by greenwich-village | 2011-10-26 11:42 | グリニッチ・ヴィレッジ

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