2010年 12月 15日
水戸黄門はサンタクロース
水戸黄門はサンタクロース。
白い髭を伸ばしていますし、あの黄土色/カラシ色の頭巾やチャンチャンコも赤くすれば似たイデタチ。
諸国を旅してみんなを幸せにする。
幸せになる者もいれば、ひれ伏す者もいれば、はむかう者もいる。
文化や慣習、通念や権威って言う意識はまさに水戸黄門です。
水戸黄門が好きでも嫌いでも、「ええぃ、ひかえおろう~」っていう印籠、これこそが文化心理そのもの。
印籠の変わりに、自分がひれ伏すような好きなものを当てはめれば誰でも「ははぁ~」とひざまずく。
ボーナス、上司、ブランド品、音楽、ジャニーズ、文学者、グルメ、政治家、およそ何であれ。
血縁親戚でも先生師匠でも友人恩人でもなく自分とは実際なんの関係もないのに、その印籠の前ではひれ伏してしまう。
その印籠に関心がなくて「ええぃ、かまわぬ、切ってしまえ」と思うものも、自分が好きな別の印籠には「ははぁ~」とひれ伏してしまう。
権威というのはそのモノにはなくて、それを受け取る方が権威付けして出来上がる。
水戸黄門の印籠劇というのは、そういう感情感覚、権威心理をわかりやすい形で描いていますね。
ええぃ、ひかえおろう、一等宝くじであるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
ええぃ、ひかえおろう、ロックンロールであるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
ええぃ、ひかえおろう、古伊万里であるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
ええぃ、ひかえおろう、議員バッヂであるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
ええぃ、ひかえおろう、ノーベル文学賞であるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
ええぃ、ひかえおろう、ピカソ作品であるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
ええぃ、ひかえおろう、ベンツであるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
ええぃ、ひかえおろう、歌舞伎役者であるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
ええぃ、ひかえおろう、イヴ・サン・ローランであるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
ええぃ、ひかえおろう、奥さんであるぞ、頭が高い、ひかえおろう。
それは助さん角さんがトナカイの、水戸黄門様はサンタクロースだったのです。
(「奥様は魔女!」風に)
つまりクリスマスソングならぬ、これが日本の毎年の師走年末のテーマソング。