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マイルス・デイビスはラッパ吹き

おい、いつ女性とキスすることになるか分からないんだから、
歯だけはいつもちゃんと磨いておけよ     -マイルス・デイビス


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キャリアが長いミュージシャンは長くなればなるほど、そのミュージシャンの音楽がどんなものなのか説明しづらくなる。
人生を費やした膨大な数のアルバムがあるわけだから、一口でこのミュージシャンはこういう音楽だよとは言えない。
それぞれ属するジャンルはあるけれど、それは自身が生成されてきたフォーマットということであって、そういうミュージシャンに限って必ず、築き上げた自身の音楽性・スタイルを壊し、塗り替え、超えて、変化していく。だからますます、この人はこういう音楽だ、とは言えなくなる。

マイルス・デイビスはラッパ吹き。ボブ・ディランは唄うたい。フランク・ザッパはギター弾き。ジェームス・ブラウンはダンサー。リー・ペリーは機械いじり屋。ストラヴィンスキーは図書館長。ストーンズはバンド小僧。
解説はそんなところで充分かもしれない。

肝心な音のほうは、それこそ聴かなければ何も分からないわけだけれど、なにせ膨大な数がある。どこから聴いていいのかわからない。試しに何か買ってみてあまり好きではないと、もうそのイメージが先行してしまう。だからこういうミュージシャンは非常に損な位置にいる。

だから、ベスト盤がある。まずはベスト盤から入ればある程度満遍なく網羅しているから好きなタイプの音楽は見つかる。あとは、そのアルバムだとか時代だとかを聴いてみれば自分の好みのハズレが少なくなる。
中にはこれぞというコンプリートなベスト盤もあるので、逆にオリジナル・アルバムよりも楽しめるものもある。

このマイルスは2枚組で、かつて所属した各レコード会社からライフタイムで選曲しているので、マイルスの音楽人生を濃縮して楽しめる、とても良いアルバム。
個人的には、1枚目のアコースティック時代のものが和める。2枚目に入ってエレクトリックされた演奏も悪いわけがない。一般的に多くの人には、コチラのほうがとっつきやすいかもしれない。

たとえば、ヒットしたポップスを取り上げたこんな楽曲。ほかにあのマイケル・ジャクソン・ナンバーも。
今のヒップホップ時代の人たちには遺作アルバム「ドゥ・バップ」が人気のようだが、晩年のマイルスではボクはこれをオススメする。
このラッパ。前奏の一発目からひたすらマイルス。
マイルス・デイビスは、ただひたすらのラッパ吹き、それ以上でも以下でもない。

関係ないけれど、ボクは小学校のときトランペットクラブにいました。


タイム・アフター・タイム     マイルス・デイビス


by greenwich-village | 2010-02-27 16:03 | 音楽

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